『チェンソーマン』の中でも特に人気が高い「レゼ篇」は、デンジとレゼの出会いから始まり、愛と裏切り、そして激しい戦いへと発展していくエピソードです。
バトルの迫力だけでなく、「好きになること」「信じること」がどれだけ残酷になり得るか――そんな心理的な葛藤まで深く描かれているのが、この章の大きな魅力です。
目次
レゼ篇の概要
デンジとレゼの出会い
レゼの秘密
デンジの葛藤と戦い
レゼ篇のテーマと結末
最後に
筆者の感想
1. レゼ篇の概要
『チェンソーマン』は、悪魔が存在する世界で、「普通の生活」に憧れる少年・デンジがチェンソーの力を得て戦うダークファンタジー作品です。
その中でも「レゼ篇」は、
デンジが初めて“恋”に近い感情を抱く
穏やかな日常と、残酷な非日常がぶつかり合う
愛情と任務、願いと現実がねじれ合う
といった要素が一気に押し寄せる、物語の大きな転換点ともいえるパートです。
喫茶店で働く少女・レゼとデンジの、少し不器用で甘酸っぱい時間から始まるこのエピソードは、後半になるにつれ一気に緊迫感が増し、「チェンソーマン」という作品そのものの残酷さと優しさを凝縮したような展開へと進んでいきます。
2. デンジとレゼの出会い
デンジとレゼの出会いは、とてもささやかで日常的です。
雨宿りや喫茶店での何気ない会話、ちょっとしたイタズラやじゃれ合い――そういった小さな積み重ねが、デンジにとっては新鮮な「青春」そのものとして描かれます。
レゼは明るく親しみやすく、どこか影を感じさせる女の子
デンジは、彼女と過ごす時間の中で「勉強」「学校」「普通の恋愛」といった、自分の知らない世界に憧れ始める
悪魔退治と血なまぐさい日常ばかりだったデンジにとって、レゼとの時間は
「もし自分が普通の少年として生きていたら、こんな日々があったのかもしれない」
と感じさせる、かけがえのないひとときです。
だからこそ、後に明かされる真実との落差が、読者にも強い印象を残します。
3. レゼの秘密
しかし、レゼは“ただの優しい店員さん”ではありません。
物語が進むにつれ、彼女には別の目的と正体があることが明らかになっていきます。
デンジに近づいた理由
彼女が抱えている任務や所属
そして、“人間ではない側面”
それらが一つひとつ開示されていく過程は、まさに愛と裏切りのミステリーのようです。
デンジにとってレゼは
初めて「好きかもしれない」と思えた存在であり
その一方で、自分の命を狙う立場にも立っている
という、非常に矛盾した人物になります。
レゼ自身もまた、任務としての顔と、デンジと過ごす時間の中で揺れる本心を抱えており、
「彼女はどこまでが本音で、どこまでが嘘だったのか?」
という問いは、読み終わったあとも長く心に残るポイントです。
4. デンジの葛藤と戦い
レゼの秘密が明かされたあと、物語は一気にアクション色を強めます。
街中での追撃戦、水辺での戦闘など、「チェンソーマン」らしい激しいバトルが次々と描かれていきますが、その根底にあるのはあくまで“感情のぶつかり合い”です。
デンジの中には、
任務として戦わなければならない自分
それでもレゼを嫌いになりきれない自分
という2つの思いが同時に存在しています。
「普通の生活」と「デビルハンターとしての現実」
「好きだという気持ち」と「殺さなければ殺される世界」
この両立しないものの狭間でもがくデンジの姿は、ただの“バトル漫画の主人公”ではなく、一人の少年として非常に人間らしく描かれています。
読者からすると、
「戦ってほしくないけれど、戦わないわけにもいかない」
という、どうしようもない感情に引きずり込まれていくのがレゼ篇の凄さでもあります。
5. レゼ篇のテーマと結末
レゼ篇全体を通して伝わってくる大きなテーマは、
「普通の幸せ」は誰にとっても簡単ではない
好きになることは、ときに残酷な結果を連れてくる
といった、かなりビターなものです。
デンジはレゼと過ごす時間の中で、
学校に通うこと
デートをすること
好きな人と笑い合うこと
といった「ごく普通の幸せ」を初めて強く意識します。
しかし現実は、それを許してくれるほど甘くありません。
レゼの選択、デンジの選択、そして彼らを取り巻く大人たちの判断が絡み合い、物語は静かで残酷な結末へと向かっていきます。
レゼ篇のラストは、派手さよりも“余韻”が強く、
「もしどこかで違う選択肢を選んでいたら、二人はどうなっていたんだろう?」
と、読者に何度も想像させるような締めくくりになっています。
6. 最後に
「レゼ篇」は、『チェンソーマン』の中でも
アクション
恋愛
スパイもの
心理ドラマ
といった要素が高いレベルで融合した、完成度の高いエピソードです。
単なる“敵キャラの登場→撃破”ではなく、
出会い
惹かれ合い
すれ違い
その先にある選択と代償
までを丁寧に描いているからこそ、多くの読者の心に強く残る章になっています。
アニメでの映像化も控えており、今後さらに注目が集まるパートでもあるので、原作でじっくり読み返しておくのもおすすめです。
◆筆者の感想
レゼ篇は、個人的にも『チェンソーマン』の中で一番「あと引く」エピソードでした。
デンジって、それまでどこか“雑に扱われてもそれを飲み込んでしまう子”という印象があったんですが、レゼと会話している時だけは本当に年相応の少年に見えるんですよね。
学校の話をするシーンなんかは、「ああ、この子も本当は普通に青春したかったんだろうな…」と、ちょっと胸が詰まる感じがありました。
一方で、レゼも「完全に割り切った悪役」ではなくて、
任務・過去・感情の間で揺れているのが伝わってくるキャラなので、
最終的な結末を知っていても、読み返すたびに違う感情が湧いてきます。
彼女の言葉のどこまでが本音だったのか
デンジの前から去るしかなかったのか
こういう“解釈の余地”が残されているからこそ、いつまでも考えてしまうんだと思います。
レゼ篇を読むと、
チェンソーマンって「グロいバトル漫画」というイメージだけではとても語りきれないな、と改めて感じます。
愛情も優しさもきちんと描いたうえで、それでも世界は残酷だ、という見せ方が本当に上手で、読後にじわっとくるんですよね。
まだ読んだことのない方は、なるべく事前情報を抑えた状態で一気に読むのがおすすめですし、すでに知っている方は、ぜひ改めて“デンジの顔つきの変化”に注目しながら読み返してみると、また違うレゼ篇が味わえると思います。

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